徒然なるバカはその日暮らし

雑に色々、長々と淡々と。

嗚呼、ビスコくん

私の職場には無人売店がある。

www.itmedia.co.jp


こういうやつ。


前の職場にも、前の前の職場にもあった。
そしてそこにはコイツがいた。


www.amazon.co.jp

ビスコ
みんな好きかなぁ、ビスコ
美味しくて強くなる、頼もしく愛おしいやつさ。

業務中に軽く食べ物をつまんでもOKな環境だったので、こいつをよく買っていた。

手が汚れないんだなぁ。しかも美味しい。
あと、懐かしい気分になれる。その上美味しい。

短くない時間をコイツと共にしてきたものだ。
おかげで、「ビスコの人」というイメージまで定着した。
私とビスコの関係は永劫続く……。そう思っていたのだが。



あるときから、売店ビスコがオシャレを始めた。
www.amazon.co.jp

コンガリ焼けてきたり。

www.amazon.co.jp

バッチリ香りをキメてきたり。

www.amazon.co.jp

味わい深くなったりしてきた。

正直に告白すると、いつも通りのアイツとの関係も、若干マンネリになっていたところがあったので、オシャレなコイツらをチョイチョイつまんでみたりしたのだ。

しかし、求めていたビスコじゃなかった。


味が濃い、塩的なものが手につく。
何より、あの独特の爽やかなビスコ風味を感じられない。
美味しいけど、とても強くなれる感じはしなかったのだ。
やっぱり、私にはアイツしかいないのだ。
そう思い直し、アイツの、真っ赤なボディを求めに行くと

なんということだ、どこにもいなかった。


社内売店は無論、近隣のコンビニエンスストアにもいない。
赤くて愛しいあんちきしょうが、影も形もなくなり、代わりとばかりに空席には小洒落たビスコたちが居座っていた。

ああ、なんということだ。
ちょっと浮気したばっかりにこんな、こんな。
むごい、あんまりじゃあないか。

こんなにも心と身体が求めているのに見当たらない。
私は深い絶望に打ちひしがれ、ヤケになってレッドブルを飲み干した。
強くなる方法なんて他にある、コイツは翼を授けてくれる。
そう強がるように、アイツに見せつけるように。
虚しい。

そしてまた、思い出したように項垂れながら売店に向かうと、出迎えてくれるのはオシャレさんたちだ。

やめろ、違う。
キミたちも決して悪いヤツじゃない、わかってるさ。
だけど、私が求めているのは
都会に揉まれて、こまっしゃくれたビスコさんじゃない。
長い間健気に、健気に頑張り続けた、泥臭いビスコくんなんだ。

嗚呼、ビスコくん。君が欲しい。




※他の味を貶めたいわけではないです。美味しいのは本当なんです。あと、赤いアイツは地元のスーパーにいました。